2022年8月末、アンナミラーズの国内最後の店舗が閉店したとのこと。
昔々、中学生の頃、中山星香氏のマンガ(確か、『夏荘の姫君』?)にちょっと出てきていたのを読んで、お洒落な喫茶店なんだろうなあと想像していた。とはいえ、「お洒落な喫茶店」という具体的なイメージは持てていなかっただろう。
文章を介した情景は、いくら想像しても、そのものと同じものは想像できない。
転勤して東京に住んだ時、小説に描かれた舞台を見に行こう、とよく出歩いた。新宿駅とかね。
小説がぐっと現実に引き寄せられるような気がした。
当然ながら、それまで想像していたイメージと全く違っていた所もあるけれど。
大阪在住の推理作家、有栖川有栖氏の作品には、関西、とりわけ大阪を舞台にしたものが多い。特に、『鍵の掛かった男』には、大阪市の中之島の情景がたくさん描かれていて、読むたびに風景が思い浮かぶ。
小説に描かれた、知っている場所と知らない場所。
どちらがいいとは一概には言えないけれど、いろんな場所に行って、いろんなものを見て、自分がイメージできる幅を拡げたいと思っている。