『華ざかりの三重奏』坂井希久子著 を読んだ。
主人公の可南子は、東京でキャリアウーマンとして働いてきた独身女性。60歳の定年退職を前にして、定年後の過ごし方が分からず悩んでいる。そんな時、中学校の同窓会に出かける。
そこで、中学生時代の友達の芳美と再会する。芳美は、子ども2人を育て、義両親の介護をしてきた。子供が独立し、義両親と夫を亡くした後の広い家で一人で暮らしている。
可南子は芳美の家に同居することになる。
その後、1学年上の香織も、その家に通うようになる。夫を亡くし、長男家族と同居するも、狭い家での同居に肩身が狭い思いをしている状況だった。
ひょんなことから、この三人がマンガの同人誌を書くことになる、というお話。
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それまで全く異なる人生を歩んできた60歳の女性同士が実際に同居することになったら、何かと揉めることややりにくい事も出てくると思う。
この本には、そのようなドロドロ面は書いていなくて、うまく一緒に生活していく姿がサラッと書かれている。
こういう暮らしが本当にできたら、きっと楽しいに違いない、と思わせる1冊。
「人生とは学びの連続だ。平均余命がまだ29.28年もあるのなら、予想外の道に迷い込むのもアリとしよう。」
ちなみに、ここでの「学び」とは、三人で同人誌を続けていくために、背景を描けるようになるとか、装丁のデザインを学ぶとか。
「学び」というと堅苦しいけれど、興味のあることについて、もう少し掘り下げるとか練習するとか。あまり肩ひじ張らずに学ぶことを自体を楽しめば、人生は100年でも短いと感じるかもしれない。