今日は遊びの日。

毎日、「遊び」の気持ちを持って、暮らしたい。

「大阪くらしの今昔館」に行って、大阪ことばに思いをはせる。

大阪くらしの今昔館、というのは、

「住まい」を中心に「暮らし」から「まちづくり」までをテーマとして扱う歴史系の専門ミュージアムです。歴史・民俗・考古・美術が満遍なく展示されている総合博物館ではなく、住まいというテーマをもった日本初の専門博物館です。(HPから抜粋)www.osaka-angenet.jp

HPはこちら。

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常設展は、次の2種類。

  1. 天保年間(1830年代)の大坂の町屋を現物大に再現したもの。大通りに面した商店(本屋、小間物屋、薬屋など)と、その裏にある裏長屋を見ると、落語の世界が間近に迫ってくる。照明が、朝・昼・夜をイメージして変わっていくので、町並みの雰囲気が移り変わるのも面白い。
  2. 明治・大正・昭和の大阪の住まい(北船場空堀通、城北バス団地、古市中団地など)の模型の展示。今はもう無いルナパーク(通天閣の隣にあった遊園地)の模型もある。

 

たった200年前の庶民はこんな暮らしをしていたのか、と考えさせられる。

部屋には家具がほとんど無く、布団と行李が2つほど。こんな生活から、物をたくさん持つ生活を経て、今はミニマリストに憧れたりする時代だなんて、因果なものです。

 

この館は、東京でいうと江戸東京博物館のような感じ。(規模はだいぶ小さい)

大阪には、他に、大阪歴史博物館の常設展でも、昔の大坂・大阪の模型が展示されていて面白いけれど、あちらは、難波宮大極殿や中世の蔵屋敷、近代の心斎橋などスケール大き目の模型、こちらは、町人の家の模型、とレイヤーが異なる。

片方に行くと、もう片方にも行きたくなる感じ。

 

今昔館の音声説明や音声ガイドは、人間国宝の落語家、桂米朝さん(3代目)。

大阪弁」というと「あぁ、漫才の言葉ね」と思われて、いい印象を持たれないこともあるけれど、あれは漫才ことばなので、デフォルメしている表現もあるし、テンポも速い。

あれはあれで味があっていいけれど、あれだけが大阪ことばではない。米朝さんの語り口を聞くと、あぁ、大阪ことばのイントネーションっていいなぁ~としみじみ思う。

 

先日図書館で借りたこの本。船場育ちの方々のインタビューを書き起こしたもの。子供の頃の船場での生活を生き生きと話されている。読んでいると、話している声が聞こえてきそうな気がした。

とても良かったので、自分でも買い直したのだけれど、音声データがあったらもっと良かったのに、と思う。大阪のことばやイントネーションはどんどん変わってきているので、あと50年もしたら、失われることばも多いんじゃないかと思う。

 

私自身は、昔、大学の社会言語学の授業で「大阪弁のイントネーションを保っている」とお墨付きをもらったことが嬉しくて、その言葉をずっと心に持って温めてはいるけれど、あれから30年以上経過したし、その間に転勤したりしたので、今はあまり自信がないのを残念に思っている。

 

大阪でもどこでも、自分の育った土地のことばを好きだと思えることが、一番幸せではないかなぁ。