昔々のお話。
働き始めた頃、それまでのアルバイト代以上のお給料を貰うことが嬉しくて、嬉々として買い物していた。財布に入れたお金は一瞬で消え、会社の食堂前に設置されたATMからしょっちゅうお金を引き出したもんだ。服や靴、バッグに化粧品、欲しい物がたくさんあったあの頃。
とうとう、クレジットカードの支払額を引き落としできなくて、預金通帳がマイナス残高になり、目が覚めた。
これではいけない。
どうやら、財布にお金が入っていると気が大きくなって散財する傾向にある、と気が付いた。あればあるだけ使っちゃう、というやつね。その後、月給制ではなく週給制だと思うことにして、1週間に使っていいお金だけ財布に入れることにしたら、うまく支出をコントロールできるようになった。
それからずっと「なんちゃって週給制」でやってきたけれど、クレジットカード払いが増えるにつれ、やりにくくなる。
とうとう数年前に、アプリで家計簿をつけることにして、週給制から月給制に切り替えた。さすがに、だんだん物欲も減ってきたしね。
うまくまわってはいるのだけれど、使っていい金額を設定するのって、難しいなあと思う。
そろそろ退職や老後を考える年代なので、ちょっと節約しようかな、と思って低く設定しすぎると、生活が小さくまとまってしまう。
この金額で暮らせるか試してみよう的な節約ゲームは、短期間ならいいけれど、長く続けてはいけないと思っている。貯金は将来の自分への贈り物ではあるけれど、今の自分にも投資しないとすり減ってしまう。
今は、やや高めの金額に設定して、毎月これくらいはお金を使って楽しく暮らそう、ということにしている。
支出が少ない月は、今月、出かける事が少なくなかったか、ちゃんと学びにお金を使ったか、初めてのレストランや喫茶店に行ったりぷらっと一人飲みしたりなどの楽しみの機会があったか、など振り返る。
意識しないと、1ヶ月なんてあっという間に過ぎるしね。こういう、家計簿の使い方もいいと思っている。
節約しすぎず、お金をうまく使って楽しく暮らしたい。